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執筆者の写真ミライプラス

映画「教育改革 - THE SCHOOL IN THE CLOUD-」鑑賞対話会を開催

ドキュメンタリー映画「教育改革 - THE SCHOOL IN THE CLOUD-」の鑑賞対話会を開催しました。

これまでオンラインで何度も開催し、延べ200名以上の方に観ていただいた映画ですが、今回は初めての対面開催になりました。現役教員の参加が多かったですが、地域の方も参加してくれました。映画鑑賞後は小グループに分かれて感想を共有、終了後は懇親会にて熱い教育談義が行われました。



この映画は、インドで始まった教育実験"Hall in the wall"を行ったスガタ・ミトラ博士の取り組みを追いかけたドキュメンタリー映画です。スガタ・ミトラ博士はTED Talkにて2013年にTED賞を受賞し、その賞金を使って"School in the cloud"という学校をインドの僻地に設立します。


インドの僻地は電気もインターネットも無い農村です。ここに住む人たちは当たり前のように農業を営み、女性は10代で結婚して子どもを産みます。インターネットの存在も知らず、外国でどんなことが起きているかも知るすべがありません。

そのような農村に、インターネットを整備し、太陽光パネルによる給電を行い、コンピュータを完備した学校を作ります。この学校が実際にどのような結果を生むのか?


映画では、SOLE(Self-Organized Learning Environment)という新しい学びのスタイルへのチャレンジが描かれています。子どもたちが目をキラキラさせて学ぶ姿もある一方、多くの課題も描かれます。新しい学びは、挑戦と挫折の連続で生まれていく、ということをスガタ・ミトラ博士のチャレンジが教えてくれます。


映画鑑賞後、参加者のみなさんは4つのグループに分かれて対話を行いました。

参加者の感想:

「日本の場合、映画のように問いに対して子どもたちが目をキラキラさせて学ぶ姿にはならないのではないか、日本は知識において満たされているので、カオスの縁の状態を作り出す問いかけが必要だと思う。」

「日本ではICT端末が一人一台与えられる状態になっている。イギリスの状況とは近いと思うので、日本でも取り組める可能性があるのではないか。」

「映画の最後に少年がエンジニアになりたい、という夢を話していたが、この教室での学びが無かったらこの夢を持つことは無かったのではないか。一方、親は成績が悪ければ結婚させる、というような古い価値観のままでいる。親の考え方をアップデートしていくことも大事だと思った。」



SOLEは世界中で活用されている学びのスタイルですが、日本ではほとんど普及していないのが現状です。SOLE普及を目指して2年前にはSOLE-dayというオンラインイベントを開催し、スガタ・ミトラ博士にもイギリスからオンラインで講演をしていただきました。


講演会のアーカイブ動画(1時間17分):SOLE-day スガタ・ミトラ博士講演


この講演の中では、インターネットを使った学びに対する様々なヒントがありました。ぜひ一度見ていただきたいですが、以下にポイントを書きました。


・インターネットの安全性は、大きなスクリーンと、グループ単位での学び、が安全性を高める。

・知識を教えるのではなく、インターネットで調べてもわからないような大きな問いをなげる。

・必要なのは環境を整える庭師であり、構造物を作る建築家ではない。学習者が自分で学べるものを、わざわざ教えてはいけない。

・評価するべきは、コンピュータースキル、読解力、コミュニケーションスキルの3つである。



《おまけ》

映画鑑賞対話会終了後は希望者による懇親会を行いました。

映画の内容にとどまらず、教育現場に関わる深く、濃い対話になりました。



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